こんにちは。
今回は、会社員等が業務または通勤が原因で亡くなられた場合に労災保険から支払われる「葬祭料」と「遺族補償給付」についてご紹介します。
「葬祭料」と前回の「埋葬料」「葬祭費」との違いは、亡くなられた原因が
業務上の事由かどうかという点にあります。
また、労災の場合には、「葬祭料」とは別に「遺族補償給付」も支払われますので、
これについてもご紹介しようと思います。
《葬祭料》
◎金額
「315,000円に給付基礎日額30日分を加えた額」または
「給付基礎日額60日分」 のいずれか高い金額
給付基礎日額とは、原則として労働基準法の平均賃金に相当する額をいいます。
事故等が発生した日の直前3か月間に支払われた賃金の総額をその期間の暦日数で
割った1日当たりの賃金額です。
◎請求手続
『葬祭料請求書』に事業主の証明を受けて、添付書類とともに勤務先を
管轄する労働基準監督署に提出します。
添付書類は、死亡の事実及び年月日を証明できる書類
「死亡診断書」「死体検案書」「検視調書」等です。
《遺族補償給付》
会社員等が、業務または通勤が原因で亡くなられた場合、亡くなられた方の収入に
よって生計を維持されていた遺族に対して支給されます。
遺族(補償)給付には
「遺族(補償)年金」 と 「遺族(補償)一時金」
の2種類があります。
◎遺族(補償)年金
受給資格者は、亡くなられた方の収入によって生計を維持されていた配偶者、子、
父母、孫、祖父母、兄弟姉妹です。妻以外の場合は、一定の高齢または年少である
か、あるいは一定の障害状態であることが必要です。
遺族数などに応じて、「遺族(補償)年金」「遺族特別支給金」「遺族特別年金」
が支給されます。なお、受給権者が2人以上の場合は、その額を等分した金額が
それぞれの受給金額になります。
遺族数 | 遺族(補償)年金 | 遺族特別支給金 (一時金) |
遺族特別年金 |
1人 | 給付基礎日額の 153日分※1 |
300万円 | 算定基礎日額の 153日分※2 |
2人 | 給付基礎日額の 201日分 |
算定基礎日額の 201日分 |
|
3人 | 給付基礎日額の 223日分 |
算定基礎日額の 223日分 |
|
4人以上 | 給付基礎日額の 245日分 |
算定基礎日額の 245日分 |
※1 ただし、その遺族が55歳以上の妻または一定の障害状態にある妻の場合は給付基礎日額の175日分
※2 ただし、その遺族が55歳以上の妻または一定の障害状態にある妻の場合は算定基礎日額の175日分
給付基礎日額とは、原則として労働基準法の平均賃金に相当する額をいいます。
事故等が発生した日の直前3か月間に支払われた賃金の総額をその期間の暦日数で
割った1日当たりの賃金額です。
算定基礎日額とは、事故等が発生した日以前1年間にその労働者が事業主から受けた
特別給与の総額を365で割った額です。
特別給与とは、給付基礎日額の算定の基礎から除外されているボーナス等、3か月を
超える期間ごとに支払われる賃金のことです。
◎遺族(補償)一時金
遺族(補償)年金を受ける遺族がいない場合や受給権者であった遺族の全員に対して
支払われた年金の額および遺族(補償)年金前払一時金の額の合計額が、給付基礎日額
の1000日に満たない場合に、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹のうち最先順位
者に支給されます(順位は記載順)。
ここまでご覧になっていただき、ありがとうございました。