こんにちは。
前回は「火葬許可証」と「埋葬許可証」についてご紹介しました。
「埋葬許可証」は墓地、墓園などへ納骨するときに必要となるとお話しましたが、ここでの「埋葬」は「納骨」の意味で使いました。
ところが、墓地、埋葬等に関する法律(第2条)では、「埋葬」を以下のように定義しています。
『この法律で「埋葬」とは、死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む。以下同じ。)を土中に葬ることをいう。』
つまり、「埋葬」=「土葬」です。
よって、土葬の場合には「火葬許可証」ではなく「埋葬許可証(土葬許可証)」を交付してもらうことになります。
最近は、日本で亡くなる外国人の方も増えてきており、宗教上「土葬」を希望する方が増えているという話を聞いた事があります。
そこで、「火葬」と「土葬」の宗教による違いについて調べてみました。
仏教では「火葬」、神道では「土葬」が行われてきたようです。
日本では昔から「火葬」が行われてきたのも、宗教上の教えによるものでしょうか。
一方、「儒教」では火葬は遺体を傷つける行為と考えられていて「土葬」が行われてきたようです。しかし、「土葬」には、疫病などの衛生的な観点から好ましくない、埋葬場所が莫大に必要となるといった問題点があります。これらの点から「儒教」の影響力が強い中国でも、近年は「火葬」が行われているようです。
「キリスト教」では、死者の復活の教えから「土葬」が多く行われています。
しかし、近年はアメリカでも経済的な理由などから「火葬」をする人の割合が増えているといった変化があるようです。
「イスラム教」も、死者の復活の教えから「土葬」が行われています。他の宗教と異なる点は、とりわけ早めに「土葬」をしなければならないとされている点と「火葬」は禁忌とされている点です。
これを見ると、日本でイスラム教の方が亡くなった場合には、理想とする葬儀を行うことは難しそうです。
日本では、死後24時間以内の「火葬」は法律で禁止されています。(墓地、埋葬等に関する法律 第3条)
また、「土葬」についても法律で禁止されているわけではありませんが、条例で土葬を禁止している地域もあり、実際に土葬が可能な墓地の数は少ないといった実情があるため、大変なようです。
近年、日本でも新しいかたちの「お墓」が見受けられるようになってきましたが、グローバル化に伴い、今後さらに「お墓」が多様化する時代が来るのかもしれないなと思いました。
ここまでご覧になっていただき、ありがとうございました。